地域情報
和歌山県をもっと知る
和歌山県とは
和歌山県は近畿地方に位置する県で、その人口は約90万人です。和歌山県は紀伊半島の西側の付け根部分にあります。県土のほとんど、実に8割が紀伊山地をはじめとする山林で、最高峰は龍神岳の1,382mです。
こうした山地の多い地形はさまざまな風景や文化を生み出しました。その風光明媚な景観は、古くは万葉集にも登場します。和歌に詠まれた名所旧跡は今でも残って観光地となっている場所もあるくらいです。また、険しい山々は格好の修行の場でもありました。高野山では空海が金剛峯寺を開き、密教の修行の場となっています。熊野三山は今でも修験道の修行の場です。山伏に代表されるような修験道がさかんでした。こうした和歌山県独特の場所は今や世界遺産に登録されています。
和歌山県は旧紀伊国。紀州藩は紀伊徳川家が置かれていました。「暴れん坊将軍」でも有名な徳川吉宗が将軍になる前に藩主として治めていました。大阪への押さえ、紀伊山地の木材を確保する意味でも和歌山県は重要だったのです。
江戸時代には御三家を置くほど重要だった和歌山県。その理由のひとつには豊富な木材があります。旧紀伊国は「木の国」に由来するとの説もあるくらいです。そして「木の国」は和歌山県のキャッチフレーズでもあります。現在でも木材は和歌山県の主要な産業のひとつです。熊野杉などはブランド化し、高級木材といってもよいでしょう。
和歌山県は先ほどの林業をはじめ、農林水産業がさかんです。生産高をみると、全国1位なのはみかんの国内シェア20%、梅の国内シェア60%と多くあります。このほか、はっさく、変わったところでは山椒なども全国1位の生産量です。全国1位ではないものの、桃、スモモ、ネーブルオレンジなどは全国でも上位となっています。このような果樹、かんきつ類は和歌山県の特産なのです。
漁業も和歌山県はさかんです。何しろ県北部は紀伊水道に面し、南部では直接太平洋に面しています。沖合は黒潮が流れており、多くの魚が集まる豊かな漁場となっているのです。マグロ、カツオ、ハモなどの漁獲高が国内でも上位となっており、このほかハマチなどの養殖などもあります。
ここまでは農林水産業でしたが、県北部では工業地域も存在します。和歌山県北部は兵庫県や大阪府から続く阪神工業地帯の一角です。県内での代表的な業種は鉄鋼業や石油産業となっています。県内で大規模な拠点を構えているのは日本製鉄や花王、三菱電機などです。ただ、豊かな自然を守ることとの両立もあるため、大阪府や兵庫県のように大規模に埋め立てを行い、沿岸部で工業地域を造成するようなことは行なっていません。こうしたこともあり、和歌山県の工業は他県に比べると小規模なものにとどまっています。
和歌山県は海もあり、山もありと観光に適しています。大阪に近いこともあり、古くから観光に力を入れてきました。昭和の中頃には海水浴でにぎわい、多くのレジャー施設も開園しています。和歌山アドベンチャーワールド、ポルトヨーロッパも昭和から平成にかけて整備されました。また、温泉も那智勝浦、南紀白浜といった場所が有名です。これらの温泉地はホテルや旅館が建ち並び、一世を風靡し、現在でも多くの観光客が訪れています。
和歌山県は寺社の多い土地柄です。平安時代から熊野詣や高野山参詣などが行なわれていました。今や高野山や熊野古道は世界遺産として登録されています。このほか、西国三十三か所巡りも有名です。
和歌山県は自然に恵まれた県です。農林水産業の後継者不足などの問題はあるものの、近畿地方でも屈指の農業県となっています。農林水産業と観光業を今後どのように発展させていくのかが課題といえるでしょう。
和歌山県のアクセス・交通事情は?
まずは航空便からみていきます。県内にあるのは南紀白浜空港です。白浜町にあり、羽田空港への便があります。南紀白浜空港から羽田空港までは1時間10分の飛行時間です。
JRは紀勢本線、阪和線、和歌山線を走らせています。紀勢本線は三重県の亀山駅から新宮駅を経由、和歌山市駅に至る路線です。新宮駅から和歌山駅は「きのくに線」と呼ばれており、和歌山駅から新宮駅まで特急で約3時間となっています。阪和線は大阪市の天王寺駅から和歌山駅までの路線。大阪方面に向かう主要な路線のひとつです。天王寺駅から和歌山駅まで特急を利用して約45分の所要時間となっています。最後は和歌山線で奈良県王寺町の王寺駅から和歌山駅までを結んでいます。
南海電鉄は南海本線をはじめ計4路線を運行中です。南海本線は大阪市の難波駅から和歌山市駅までの路線でその名の通り南海電鉄の幹線となっています。難波駅から和歌山市駅までは特急を利用して約55分です。高野線は大阪市の汐見駅から高野山にある極楽橋駅までの路線。多くは難波駅まで乗り入れることから、事実上難波駅の発着となります。難波駅から極楽橋駅までは特急利用で1時間20分、急行で1時間40分ほどです。このほか、和歌山市の紀ノ川駅から同じく市内の加太駅を結ぶ加太線、和歌山市駅から和歌山港駅を結ぶ和歌山港線があります。
JRや南海電鉄以外では和歌山電鐵と紀州鉄道があります。和歌山電鐵は和歌山駅から紀の川市の貴志駅までを結ぶ元南海電鉄の路線です。和歌山駅から貴志駅までは約30分で結んでいます。紀州鉄道は御坊市の御坊駅から西御坊駅までの路線で、両駅間の所要時間は乗車時間8分です。
県内の高速道路網についてご紹介します。県内の幹線となる高速道路は阪和自動車道で大阪府松原市から田辺市まで開業中です。さらに田辺市からは紀勢自動車道がすさみ町のすさみ南インターまで開業し、さらに延伸工事中です。阪和自動車道の和歌山インターから阪神高速梅田出入口まで約1時間、東名高速道路の東京インターまで約6時間となっています。このほか、御坊道路などがあり、すさみ串本道路などが工事中です。
和歌山県の各エリア情報
和歌山市
県北部に位置する人口約35万人の都市で県庁所在地でもあります。行政の中心であるだけでなく、県内経済の中心でもある都市です。紀ノ川の河口に位置し、古くから紀州、和歌山県の中心でもありました。それがわかる史跡として和歌山城があります。紀伊徳川家の居城でした。文化や教育でも重要な位置を占め、和歌山大学や高校野球で有名な智辯学園和歌山高等学校、通称「智辯和歌山」も市内にあります。
海南市
県北部の人口約4.7万人の都市で和歌山市に隣接しています。市内には亀ノ川が東西に流れるまちです。海南市は紀州漆器の産地として古くから有名でした。こうした工芸品や日用品が得意だったのか、現在では日用品の一大生産地となっています。スポンジ、たわしといった生活雑貨は市内で多く製造されているのです。ご家庭にも海南市産の製品があるかもしれません。
紀の川市
和歌山県北部にある人口約5.8万人の都市。市内は紀ノ川と貴志川の合流地点もあります。和歌山市に近く、和歌山市のベッドタウンとして発展してきました。市内はこのほか農業がさかんです。農業への就業率が和歌山県平均の2倍、20%もいます。みかん、はっさく、桃の生産量が多いまちです。
岩出市
県北部の人口約5.4万人の都市です。岩出市にも紀ノ川が流れ、まちのシンボルでもあります。岩出市は昭和のころまでは平凡な農村でしたが、関西国際空港の開港で人口増加しました。それ以来、大阪や和歌山へ通いやすい立地が評価され、人口が増加傾向にあります。
橋本市
和歌山県の北東端に位置し、人口は約5.9万人です。紀ノ川の中流域に位置し、かつては材木運搬や高野山参詣の宿場町として栄えました。立地的に奈良県とも接しています。また、大阪へも通いやすいことから市内から大阪方面、奈良方面に通勤通学している人も多くいるまちです。
有田市
県中部にあり、人口約2.5万人の都市です。紀伊水道に面し、市内では有田川が流れています。有田市は有田ミカンの発祥地。今でもみかんの生産がさかんです。また、蚊取り線香の発祥地でもあります。沿岸部にはENEOS和歌山製油所があり、石油精製が市の主要産業です。
御坊市
県中部の人口約2.3万人の都市です。御坊というのは寺院の尊称。市内にある本願寺別院を「御坊」と呼んだことから市名が名付けられました。紀伊水道に面し、市内は日高川が流れています。花の生産、花き産業がさかんでスイートピー、カスミソウ、スターチスは日本一の生産量です。
田辺市
和歌山県の中南部に位置し、人口は約6.8万人です。面積が1,000㎢超で近畿地方最大面積を誇ります。護摩壇山がそびえ、会津川が流れています。市内は山地が多く、熊野本宮大社や熊野古道、九十九王子といった場所は世界遺産にも登録されている名所です。市内では農業がさかんでみかん、スモモが多く栽培されています。
新宮市
県南部の人口約2.6万人の都市です。熊野川の河口付近に市街地が形成されています。飛び地があり、熊野川町嶋津や玉置口がその飛地です。林業や漁業がさかんで熊野杉はブランド化され、イワシやサンマの漁獲量が豊富なまちとなっています。熊野三山も市内にあり、世界遺産も求めて観光客が絶えません。